抄録
C.R. マッキントッシュのインテリアの壁面デザインには以下のような特徴がみられる。
メタルワーク,鉛枠入り色ガラスパネルのはめ込み,タイル象嵌,フルーティング,格子組など,それぞれの壁面デザインの特徴が時期的に若干の重なりを持ちながらも,椅子や家具の研究で指摘した時期にほぼ該当している。唯一ステンシル装飾のみが一貫して使用された手法である。
また,彼は装飾のみならず家具をも,無装飾をも壁面デザインの一手法と捉えていると推定される。
これらのことから,マッキントッシュが一貫して壁面の表層にこだわり続けていたことが明確に考察される。