抄録
本研究では2011年3月11日に発生した東日本大震災後,建設が行われた応急仮設住宅を対象に,高齢者の身体機能が低下しても在宅で生活するために必要となる住環境要件を明らかにすることを目指し,バリアフリー対策に基づく対象地域の取り組みを踏まえ,最初の取り組みとして高齢者を対象に手すり設置改修を実施する。これを通じて高齢者にとっての手すり設置効果とその課題を明らかにすることを目的とする。
研究の結果,手すり設置による効果は見られた。さらに改修には多職種で関わることの意義も明らかになった。今後の課題として,生活動作を考慮した空間全体の検討を行っていきたい。