日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
村野藤吾の世界平和記念聖堂制作の基盤にある自然観について
村野藤吾の戦後10年間の言説を通して
松浦 藍子河田 智成
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2018 年 28 巻 p. 115-120

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抄録
本稿は,建築家,村野藤吾の戦後10年間の言説から,彼の自然観を探ることによって,戦後の代表作,世界平和記念聖堂(1954)の背景にある村野の建築思想を明らかにする試みである。村野は建築を「新しい自然」として捉えた。「新しい自然」とは,既存の「自然」の上に,人間が人間のためにつくる新たな「自然」である。この「新しい自然」は,建築家独自の形や手法を表す「個性」,そして,「個性」をもって創出される「様式」を備え,「個性的様式」があるところの「日本的なもの」を反映していた。村野は,建築を「自然な「新しい自然」」として,「重厚さ」や「親しみ」,「手ごたえ」というような触覚的なものを観取する身体を介して獲得しようとした。世界平和記念聖堂の制作は,「新しい自然」を触覚的に観取するという村野の自然観に基づいたものであった。
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© 2018 日本インテリア学会
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