抄録
作業後における囲み空間を形成する椅子での休憩が作業 負荷の軽減に及ぼす影響を調査した。布で覆われていない 椅子で休憩したときに比べ,布で覆われた囲みのある椅子 で休憩した際に,気楽さの評価が向上した。空間の印象評 価の結果,囲み空間は暗く閉鎖的であるが,私的な領域を 形成して好ましいと評価されていた。また,他者と居合わ せた環境では,私的な領域での休憩は作業負荷の軽減に寄 与すると示された。オフィスなどストレスが発生し易い環 境において,オープン化した空間に周りから少し隔てられ る装置を用いることが休息に有用であると考えられた。