日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
家具 ・ 建具の配置状況からみた教室空間へのニーズの抽出
立川市立第一小学校におけるケーススタディ
倉斗 綾子橋本 都子上野 佳奈子
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 30 巻 p. 9-15

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抄録

本研究では,建具による境界部の自由度と,黒板を含むほとんどの家具をキャスター付可動家具として提案された立川市立第一小学校を対象とし,新たな学校建築への知見を得ることを目的とした観察調査およびインタビュー調査を行った。家具や建具配置の自由度が極めて高い対象校における空間の使われ方の実態を捉え分析することで,学校教育の変革期を迎え,老朽化校舎の建替も増える今日の学校における潜在的な空間のニーズや課題を抽出する。 特に本稿では,教室及び教室境界部の家具,建具の配置に着目し,教室という単位空間に求められる条件を整理した。その結果,教室の開閉度や収納家具の配置には学年による傾向があることや,直射日光やすきま風など環境要素が家具配置を決定づける大きな要因となっていることが分かった。

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© 2020 日本インテリア学会
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