日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
単語中母音の聴取実験結果と認識実験結果の比較
古賀 秀昭牧野 正三城戸 健一
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1990 年 46 巻 10 号 p. 795-801

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抄録

聴覚に関する生理学的及び心理学的知見から、ローカルピークが母音認識の手掛かりとして重要であると考えて、著者らは単語中の母音の認識をローカルピークを用いて行っている。しかし、これまで認識実験と聴取実験との比較検討は行われていない。今回、単語中の母音について聴取実験を行うと共に、同じ音声資料を用いてローカルピークと通常行われているLPCケプストラム係数による認識実験も行い、それらを比較検討した。認識実験は聴取実験で10人中の8人以上が正答したもので標準パタンを作成したもので行った。特徴量と識別規則を含めた検討の結果、部分的には差が見られないものもあるが、全体的にはローカルピークによる認識結果の方が聴取実験結果に近いという結果になった。

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© 1990 一般社団法人 日本音響学会
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