日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
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交差形円弧状配列マイクロホンシステムの実用化に関する実験的検討
東 貞男打越 聰城戸 健一
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1990 年 46 巻 2 号 p. 111-120

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抄録

2組の円弧状配列マイクロホンを十字又はV字形に交差させた配列マイクロホンシステムは、システム焦点上の音源を周囲騒音源から効果的に分離することが、前報において、理論的に明らかにされている。本報においては、試作V字交差形配列マイクロホンシステムの感度の空間分布特性、並びに本配列システムを用いて実際の騒音源の中から目的とする音源分離の特性測定を行っている。試作V字交差形配列マイクロホンシステムの空間分解能は、理論値から予測されるとおり、あらゆる方向に対して良好である。除去を必要とする雑音源の減衰レベルは、屋外実験では理論的予測値-43dBよりも15dB程度、屋内実験では20dB程度悪化した値として得られている。しかし、検討の結果、周囲環境の悪い場所でも、条件に適合した設計仕様の配列システムを実現するならば、音源分離の機能は十分に果たすことが確かめられている。

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© 1990 一般社団法人 日本音響学会
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