日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
衝撃音のノイジネスに及ぼす暗騒音の影響
宮園 博光宇佐川 毅江端 正直
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 48 巻 12 号 p. 833-839

詳細
抄録
本研究は、特定騒音である単発及び繰り返し衝撃音が、定常的な暗騒音と複合した場合、その衝撃音のノイジネスに及ぼす暗騒音の影響について検討したものである。実験は、単発衝撃音が狭帯域ノイズ中に存在する場合と、繰り返し衝撃音が、広帯域ノイズ中に存在する場合の2種類について行った。その結果、衝撃音のノイジネスは暗騒音のレベル上昇に伴い減少し、衝撃音に及ぼす暗騒音の影響は、衝撃音のキャリア近傍の周波数成分によるマスキングだけではないことが明らかとなった。更に衝撃音と搬送波の周波数構造があまり違わない場合には、暗騒音の影響は小さくなることが判明した。そして、そのノイジネスの減少は、衝撃音と暗騒音のエネルギー的な差により、ある程度説明することができた。
著者関連情報
© 1992 一般社団法人 日本音響学会
次の記事
feedback
Top