日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
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オーディオ・ヴィジュアル・メディアを通しての情報伝達における視覚と聴覚の相互作用に及ぼす音と映像の調和の影響
岩宮 眞一郎
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1992 年 48 巻 9 号 p. 649-657

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抄録

市販のレーザ・ディスク作品、及び、別の作品の音と映像を組み合わせた素材を用いて、AVメディアを通しての情報伝達における、視覚と聴覚の相互作用に及ぼす、音と映像の調和度の影響を検討した。音と映像の重畳が、音と映像の印象を良くする、協合的な相互作用においては、音と映像の調和度が高いほど、その効果が大きい。視覚と聴覚に共通する性質(通様相性)が同方向に変化する、共鳴現象に関しては、通様相性の処理レベルに依存し、明るさのように、低次の処理による性質では、調和度とは関わりなく、共鳴現象が生ずるが、引き締まり感、きれいさのような、高次の処理を必要とする性質では、調和度が高くないと、共鳴現象が生じない。

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© 1992 一般社団法人 日本音響学会
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