1994 年 50 巻 10 号 p. 789-795
近年の小型あるいはSMD形状の市場要求に対応しうる中波帯用共振子として、圧電セラミックによる平面音叉共振子を提案し、それを実用化するための検討を有限要素法(FEM)を用いて行なった。まず変位分布図から、振動のエネルギーが十分に閉じこめられることを確認し、電荷分布図から最適励振電極を求めた。さらに、音叉アーム長やアーム幅の寸法をを変えたときの周波数の変化を調査し、振動モードの特性と特徴を示すと共に可能周波数域を明示した。また、保持と端子の取り出しの容易な素子形状を考案し試作したところ、容量比22,Q_m700以上でスプリアスの少ない周波数特性を有する共振子が得られた。