日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
50 巻, 10 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 前澤 成一郎
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 767-779
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    我々は1974年以来、断片線形系に対する級数変換を伴うFourier級数解法を用いて、擦弦の持続自励振動の解析を試みてきた。途中若干の紆余曲折はあったが。それも大体収束したと思われるので前報(本誌平成4年9月号)でこの解析手法の大略を紹介した。本報では、実際の擦弦の力学モデルに我々の解法を適用した数点の結果を報告したい。特に弓圧力の増加に伴う発生音の高さの低下(flattening)現象についてはいわゆる周波数領域の説明を加えたい。
  • 宮崎 謙一, 石井 玲子, 大串 健吾
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 780-788
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    単独に提示された音の音楽的音高名を音高コンテクストとは無関係に絶対的に同定することができる絶対音感の能力は、従来から音楽に深い関わりを持つ能力とされてきた。しかし音楽が本質的に相対的音高関係の上に成り立つものであることを考えると、この絶対音感の能力が音楽にとってどのような意義を持つものであるかが問題となる。そこで、絶対音感を持つ音楽専攻の大学生が、相対的音高関係をどのように認知するかを調べる目的で実験を行った。絶対音感テストの結果から、被験者を3グループに分けた。実験課題は、音譜で視覚的に提示されたハ長調の7音メロディと、ハ長調、1/4音低いホ長調及び嬰ヘ長調の3通りのいずれかの調で聴覚的に提示された7音メロディとが旋律的に同じか違うかを判断することである。実験の結果、どのグループもハ長調でメロディが提示された場合に比べて他の調で提示された場合に正答率が低下し、反応時間も長くなるという結果が得られた。また、正確な絶対音感を持つグループでは、絶対音感と巧妙なストラテジを組み合わせて判断したものが多くみられた。これらの結果から、音楽的音高処理において絶対音感が持つ問題点について考察した。
  • 井上 二郎, 開田 弘明
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 789-795
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    近年の小型あるいはSMD形状の市場要求に対応しうる中波帯用共振子として、圧電セラミックによる平面音叉共振子を提案し、それを実用化するための検討を有限要素法(FEM)を用いて行なった。まず変位分布図から、振動のエネルギーが十分に閉じこめられることを確認し、電荷分布図から最適励振電極を求めた。さらに、音叉アーム長やアーム幅の寸法をを変えたときの周波数の変化を調査し、振動モードの特性と特徴を示すと共に可能周波数域を明示した。また、保持と端子の取り出しの容易な素子形状を考案し試作したところ、容量比22,Q_m700以上でスプリアスの少ない周波数特性を有する共振子が得られた。
  • 倉澤 英夫, 小幡 輝夫
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 796-802
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    本論文は矩形断面を持つ直管を、軸対称噴流軸に直交かつ管エッジが噴流せん断層に接する状態で挿入し、速度乱れ及び発生音の特性について論じている。噴流せん断層が矩形管の先端部に衝突することにより音が発生し、この音の上流への伝搬が噴流の出口近くでのせん断層のかく乱の発達に影響を及ぼすことにより、自励振動が作り出されてくる。自励振動の周波数は矩形管の挿入位置により変化してくるが、これらの規則性について考察している。また、この自励振動の周波数が挿入した矩形管の持つ音響的固有振動数に接近すると、固有振動が励起され直管から大きな音が発生し、この現象に関しても詳細に検討した。特に、ここでは流速一定下で、挿入管の長さ、高さ及び幅をパラメータにして自励振動そのもの及び発生する音への影響について調べている。
  • 羽田野 甫, 金井 貞夫, 伊勢田 洋治
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 803-808
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    1MHz前後の高周波超音波を用いた洗浄は、キャビテーションによる被洗浄物の損傷を避けられるため、半導体製造工程に不可欠の基礎技術になっている。本報では、液体中の平面板に斜めに入射する超音波の透過特性を利用することによって、内外二重槽構造の高周波超音波洗浄槽の特性を大幅に改善しうることを示した。反射波の影響を受ける超音波洗浄槽においても、平面板を音源に対して一定の角度だけ傾けると、進行波音場と同じように、音圧の透過率が増大することを確認した。パイレックス・ガラス製の、底面が水平な在来の内槽と、特性改善の一つの手段として底面を傾斜させた内槽の音圧分布を比較し、その効果を明らかにした。
  • 小畑 秀文
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 809-815
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    本論文は雑音に乱された低品質音声から音声波形を復元するための方法についてのべたものである。雑音に関する事前知識に応じて最適解を解析的に示した。それによれば、ピッチ周波数に依存する櫛歯形フィルタとSN比に依存するウィナーフィルタの組み合わせによって最適処理が与えられることが明らかにされた。実際の音声波形を用いた基礎実験により、本手法が有効であることを示した。また、櫛歯形フィルタの構成時にピッチ抽出誤差がどの程度の悪影響を及ぼすかについても明らかにしている。
  • 羽田野 甫, 渡邊 哲夫
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 816-823
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    相互校正法によるアコースティック・エミッション変換子の絶対感度校正のための、新たなシステムを構築した。大型の鍛造鋼製媒体を導入し、校正信号にトーンバーストを用いた結果、校正の対象とする直接波と反射等によって生ずる不要波を、受波器への到達時刻差に基づいて判別できるようになった。表面波(Rayleigh波)感度に加えて縦波軸感度の相互校正を、不要波の影響を避けてより正確に実施しうるようになった。軸対称差分法モデルによるコンピュータシミュレーションを併用して、媒体中の弾性波伝搬についても考察を加えた。
  • 永野 修, 太田 光雄, 宮田 繁春
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 824-828
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    空気圧管路系に対する音響インピーダンス計測において、K.Todaらは、未知管路の入力インピーダンス測定に関する研究を行っている。しかし、そこでは計測の所要周波数域までの配慮がなされていなく、測定空洞に対する補正法において高周波数までの配慮に欠けるなどはその一例である。本研究で1kHzまで拡張した入力インピーダンス測定を検討する目的で、補正理論により求めたインピーダンスと実験で得られたそれとの検討を行った。その結果、既知管路における共振、反共振の各周波数に関しては理論と実験は数%以内での一致度を見せている。しかし、評価の困難な振幅に関しては周波数ほどの一致性を見なかったが、起伏パターンの傾向や概略値に関してはかなり良くとらえている。
  • 太田 光雄, 中迫 昇, 三谷 康夫
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 829-835
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    騒音・振動環境分野では、自然要因の多様さや人間評価の非画一性に基づいて、様々な評価量が提案され、それぞれ固有な長短所を待ち合わせている。本研究では、L_x(x=5,50,95)評価量を一具体例にとり、各評価量間で説明変数から目的変数への一方向的な変換関係を求める回帰分析法とは異なり、互いに優劣なく双方向に変換可能な代表的一関連様式を見出す目的で主成分分析法にまず着目する。次いで、各L_x評価量間では本質的に非線形な関連様式を潜在させることから、線形関連様式を主とした公知の主成分分析法を非線形関連様式へ一般化できる一試みを、その原則論に力点をおいて提案する。更に、実L_xデータ間に適用しその実際的有効性をも実証する。
  • 甲田 壽男, 永田 可彦, 小木曽 久人, 中野 禅, 山中 一司
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 836-841
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    生体リズムで機械を駆動するという外燃を初めて提唱しその具体的な実現の方法を示した。生体リズムとして心拍信号を検出し、これから得た心拍間隔から電力調整器を制御する信号を発生させ扇風機の回転を制御する方法である。心拍間隔、制御電圧、扇風機の回転数及び風速を測定しそのパワースペクトル密度を求めた結果、心拍間隔に見られる1/f揺らぎ特性や呼吸の影響などがそれぞれのパワースペクトル密度に保存されていた。
  • 小坂 直敏
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 842-848
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
  • 中川 聖一, 高木 英行
    原稿種別: 本文
    1994 年 50 巻 10 号 p. 849-854
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1994 年 50 巻 10 号 p. 855-
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1994 年 50 巻 10 号 p. 855-
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1994 年 50 巻 10 号 p. 856-
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1994 年 50 巻 10 号 p. 857-858
    発行日: 1994/10/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
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