筆者らは高品位のテキスト音声変換システムを実現するための隣接単語間の結合関係に着目した形態素解析処理部を開発した。本形態素解析処理部は、単語境界決定過程と読み決定過程から構成され、単語境界決定過程では、文節最小法の改良法である自立語数最小法と、複合語分割点情報を用いた複合語分割手法を用いており、読み決定過程では、隣接単語との結合条件を表す読み選択情報を用いた読み決定手法を用いている。新聞記事1,018文を対象に評価試験を行った結果、単語境界決定過程の誤り率は1.4%であった。また、読み決定過程も含めた評価では、単語境界誤り率は1.0%に減少し、これを含めたすべての誤り率が1.4%になることを確認した。
