水中での2.8MHz円形開口集束音源による音軸上の音響流の立ち上がり特性について、レーザ・ドップラ流速計を用いて実験を行った。その結果、焦点付近では他の位置に比べ流れは急速に立ち上がる、また、音圧レベルが増加すると高調波成分の生成が増強されるため、音軸上の焦点以遠の位置で顕著に流速が増加することが分かった。理論と実験の比較のため差分法に基づく数値計算を実行した。それらは全体的によく一致している。本研究から流体力学的非線形性と音響的非線形性の両者は、特に、焦点以遠の領域で流れの発生に本質的な効果をもたらすことが明らかになった。