抄録
エコーを除去し原音を推定する研究は以前から数多くなされている。しかし単一センサを用い観測信号に雑音を含み音場のインパルス応答が非最小位相系である場合, 安定した原音推定は困難である。本論文は, 観測信号とインパルス応答とを既知とし反復法を用いて出力方程式から原音を安定に推定する方法を提案するものである。実験の結果, SNR=25dBの未知雑音環境下で非最小位相系の音場の場合, エコーも雑音として計算した信号対雑音比12.8dB等の安定な解を得た。また他の方法との比較においても演算速度等の点において提案方法の有効性を確認した。