日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
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残響室法音響パワー測定における回転拡散板の効果と面積・面密度との関係 : 音圧相関による評価
今井 章久
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1998 年 54 巻 10 号 p. 729-738

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抄録
残響室における回転・移動拡散板の効果を, その面密度と面積について求めた。拡散板の動きによる音場の変化を, 変化する音圧の相関関数と室内2乗音圧中に占める比Dとによって表した。拡散板による平均化が十分なとき, 音響パワーの分散は(1-D)倍, 2乗音圧の分散は(1-D)^2倍に小さくなる。拡散板の片側面積をS, 反射率をγ_1, 室内等価吸音面積をAとするとD=2γ_1S/(2γ_1S+A)となる。方形拡散板をその法線方向に移動したときの2乗音圧の相関関数を, 拡散板の面密度を変えて, また面積を変えて等価吸音面積が異なる4室で測定した。実験結果は理論とよい一致を示した。回転・移動拡散板の効果は, 両側面積に等しい等価吸音面積の付加に等しい。
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© 1998 一般社団法人 日本音響学会
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