1999 年 55 巻 4 号 p. 256-264
可聴周波数帯域外成分を含む純音対に対するオーディオスピーカの混変調歪を測定した結果, 純音対のうち, どちらかの音圧が十分大きければ, 他方の音圧が60dBSPL程度でも, 歪成分の音圧が30dBSPLを越える場合のあることが示された。また, 可聴周波数帯域外のAN音を含む複合音をスピーカから提示した場合, 帯域分割した場合には知覚されないAM音が, 帯域分割しない場合には知覚できたことから, ハイサンプリングフォーマットと標準フォーマットのオーディオ再生音における音色の主観的印象の差の一因がオーディオスピーカの混変調歪である可能性が示唆された。