クロススペクトル法では, 特別に用意した信号と時間窓の組み合せを使わない限り, 使用する時間窓によってインパルスレスポンスが変形する。本論文はその変形による推定精度の低下を, インパルスレスポンスの推定誤差として数値的に検討し, 時間窓の種類と窓長の選択に対する指針を与えることを目的とする。時間窓による振幅変形に基づく誤差が, 時間窓長とインパルスレスポンス長(指数減衰して振幅が1/1000になるまでの長さ)の比によりどのように変化するかを定量的に検討した。その結果, 時間窓長が」十分長ければリース窓, 半波サイン波窓, 長くできない場合は, 方形波窓を用いた推定結果が最も誤差が小さいことが明らかになった。
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