抄録
集束超音波の焦点近傍音場におけるRaman-Nath回折について解析及び実験の両面から検討を行い, 焦点音圧の推定を試みた。初めにKZK方式を用いて焦点近傍の音場を解析し, その結果にRaman-Nathの理論を適用することにより焦点音圧の関数として回折光の強度を求めた。振動子駆動電圧を変化させて回折光の強度を測定した結果, 解析結果とのよい一致が得られた。更に, 両者を比較することによって得られる焦点音圧がKZK方程式による計算結果と一致したことから, Eykmanの式及びRaman-Nathの理論が本研究の測定条件において成立していることが確認された。