日本音響学会誌
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圧電型12面体スピーカを用いた室内音響模型実験
田原 靖彦石川 勝之河村 広則佐々木 伸一中村 守保
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2003 年 59 巻 10 号 p. 614-621

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抄録

現在,室内音響縮尺模型実験の音源としては,主として放電パルスが用いられている。放電パルスは,音響模型実験に適したパルス波形及び音響放射指向特性を有するが,他方では,パルス波形の再現性が不十分であることや電磁波ノイズの影響など,音響模型実験音源としての幾つかの問題点を併せ持っている。また,TSP法やM系列相関法など,音源信号制御型の測定に適用できないことも重要な弱点となっている。上記の背景から筆者らは,圧電セラミックスユニットに用いた,音響尺度模型実験のための模型12面体スピーカーシステムの開発を行ってきた。本文では,今回試作した模型12面体スピーカシステムの音響諸特性を紹介すると共に,従来の放電パルス音源と,模型12面体スピーカシステムの双方による室内音響模型実験の結果を比較検討することによって,模型12面体スピーカの音響模型実験音源としての可能性を探る。

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© 2003 一般社団法人 日本音響学会
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