日本音響学会誌
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論文
長方形要素を用いた陽的時間領域有限要素法による室内音場解析のための修正積分則
吉田 卓彌奥園 健阪上 公博
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2016 年 72 巻 7 号 p. 367-373

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抄録

修正積分則を用いた陽的時間領域有限要素法(TD-FEM)による効率的な室内音場解析手法の構築のため,長方形要素使用時に分散誤差低減に効果的な要素行列の数値積分点を明らかにした。まず,自由空間中の平面波伝搬を考慮した2次元分散誤差解析を通して,長方形要素使用時に同誤差低減に有効な2種の積分点と安定条件を導出した。導出した積分点は平面波の伝搬方向角に関するパラメータを持ち,複雑な音場を構成する室内音場では,同パラメータの設定方法は不明なため,数値実験により明らかにした。導出した積分点を用いた陽的TD-FEMは,空間4次・時間2次精度の陽的TD-FEMに比べ高精度な解析が可能であることを示した。

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© 2016 一般社団法人 日本音響学会
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