現在,騒音の計測では,等価騒音レベルに基づく評価が広く行われている。しかし,地域住民が知覚・理解する音環境は,音源の種類,レベル変動特性,生活様式など多くの要因によって修飾されるため,等価騒音レベルだけでは音環境を評価する上で必ずしも十分とは言えない。著者らは,「サウンドスケープ」の考え方を踏まえて音源情報に注目し,支配的音源の時間比率とレベル分布情報を2次元のチャートとして表示する「〈音源×レベル〉時間構成マトリックス」を提案している。本研究では,高速道路近傍における防音壁設置前後の音環境の変化を対象に,等価騒音レベルによる評価結果などとの比較により同マトリックスの有効性の検証を行った。