日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
論文
Filtered-x LMS法を成立させる条件
藤井 健作棟安 実治苣木 禎史
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2025 年 81 巻 10 号 p. 685-696

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抄録

本論文では初めに,騒音制御フィルタは緩やかに変化し,2次系推定誤差も小さいとする条件の下でFiltered-x LMS法を与える評価関数を導く。実際,その評価関数は,2次系を2次系フィルタに置き換えた構造で誤差マイクロホンの出力をゼロにする擬似最適解が,置き換え前の構造で誤差マイクロホンの出力をゼロにする最適解に近似されるときに構成される。当然ながら,この近似の程度は2次系推定誤差の影響を受け,評価関数は近似的なものとなることには注意が必要である。最後に,その近似の程度が騒音制御フィルタや2次系フィルタのタップ数の削減によって高まることを示し,その削減による制御の安定化効果を確認する。

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© 2025 一般社団法人 日本音響学会
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