近年,人工知能技術は音響学の研究分野でも盛んに利用され,音楽情報処理や楽器音響解析などの分野にも波及している。本研究では,生成モデルの一つであるVAE(Variational Autoencoder)を応用して,音響特徴量の学習によるヴァイオリン製作者のクラスタリング及び可視化を行った。初めに,ストラディバリウスを含む13本のヴァイオリンを録音し,音響特徴量の違いによるVAEの分類精度の検証を行った。次に製作者や地域,製作年代による特徴の有無について検証した。また,VAEの潜在空間の分布が人間の聴感と近いかどうかを検証したところ,結果として潜在空間にマッピングされた各楽器の音色の分布は人間の聴感と近いことが示唆された。従って,本研究の応用としてVAEを用いたオールド楽器の音による鑑定の可能性が得られた。
本論文では初めに,騒音制御フィルタは緩やかに変化し,2次系推定誤差も小さいとする条件の下でFiltered-x LMS法を与える評価関数を導く。実際,その評価関数は,2次系を2次系フィルタに置き換えた構造で誤差マイクロホンの出力をゼロにする擬似最適解が,置き換え前の構造で誤差マイクロホンの出力をゼロにする最適解に近似されるときに構成される。当然ながら,この近似の程度は2次系推定誤差の影響を受け,評価関数は近似的なものとなることには注意が必要である。最後に,その近似の程度が騒音制御フィルタや2次系フィルタのタップ数の削減によって高まることを示し,その削減による制御の安定化効果を確認する。