クラリネット用リードには一般に,演奏適性の高低が存在する。演奏適性が高いリードとは,奏者のイメージした音を出すことが容易なリードのことを指し,現状では奏者が演奏することでしか演奏適性を判断できない。この論文では,演奏せずにリードを撮影した画像のみから演奏適性を判断することを目的とし,画像処理に基づく自動推定の可能性を検証している。反射光又は透過光を撮影する二種類の撮影方法で機械学習を行った結果,正解率は0.75及び0.85であり,F値は0.67及び0.84であった。また,Grad-CAMの結果より,表皮の色と維管束の分布により判定がされていることが示唆された。以上のことより,機械学習を利用した演奏適性の分類可能性が示唆されている。