学校メンタルヘルス
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ショートレポート
共同体感覚スキーマと生活満足感に関する縦断研究―小学生を対象として―
橋口 誠志郎
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2016 年 19 巻 2 号 p. 192-196

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抄録

【目的】小学生を対象として共同体感覚スキーマと生活満足感の関係に関して縦断調査を行い影響の方向性を検討することを目的とする。

【方法】調査協力者はA県にある公立小学校に在籍する3年生から6年生の児童218名(男子112名,女子106名)であった。使用した尺度は共同体感覚尺度と生活満足感尺度であった。追跡調査は初回調査の4カ月後に行われた。

【結果】交差遅延効果モデルにおいて共同体感覚スキーマ(T1)から生活満足感(T2)へは有意なパスは見られなかった。また生活満足感(T1)から共同体感覚スキーマ(T2)へも有意なパスは見られなかった。一方,同時効果モデルにおいては共同体感覚スキーマ(T2)から生活満足感(T2)へ有意な正のパスが見られた(β=0.23, p=.047)。また生活満足感(T2)から共同体感覚スキーマ(T2)へ有意な正のパスが見られた(β=0.25, p=.039)。

【結論】共同体感覚スキーマと生活満足感には双方向の影響関係があることが明らかとなった。

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© 2016 日本学校メンタルヘルス学会
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