2024 年 27 巻 1 号 p. 89-98
【問題と目的】本研究は,学校現場におけるスクールカウンセラーの役割と職務上の困り感をスクールカウンセラー自身の評価によって明らかにすることを目的とした。
【方法】A県下の小学校・中学校・高等学校のスクールカウンセラー(以下,SC)を対象にスクールカウンセラーに求められる役割について質問紙調査を行い,142名から回答を得た。質問紙ではSCの「10の役割」を挙げ,役割が機能している程度を「必要としている」,「役に立っている」,「満足している」の3項目で測定した。さらに「SCの困り感に関する調査項目」を作成し,SCの「10の役割」との関連を調べた。
【結果】機能得点が高い役割は「教師との連携」,「発達障害への対応」,「カウンセリング」,「コンサルテーション」の4つであった。機能得点における経験年数の効果は初心者群,ベテラン群よりも中堅者群が高い結果であった。「SCの困り感」の因子分析の結果,「SCの自信の無さ」,「学校の教育相談体制への不満」,「SCの有能感欠如」,「SCの失敗」の4因子を抽出した。分散分析の結果,初心者群が「SCの自信の無さ」,「SCの有能感欠如」で得点が高かった。
【考察】本研究の結果から,SCの役割は,カウンセリングや発達障害への対応に対しコンサルテーションなどの連携により機能していると考えられた。さらに,機能得点において中堅者群が初心者群,ベテラン群より高い結果であった。このことはSCの雇用や評価が影響していることが考察された。