学校メンタルヘルス
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Print ISSN : 1344-5944
実践報告
学科による学生支援の意義と課題
―メンタルヘルス調査の実施と結果の活用を中心に―
柿原 久仁佳大島 寿美子
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2025 年 28 巻 1 号 p. 154-159

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抄録

【問題と目的】学科による学生のメンタルヘルスに関する調査は,学生支援を促進するための基礎資料として有用である可能性がある。本研究では,学科が主体となり新入生を対象にメンタルヘルスについての調査を実施し,その結果を教員間で共有するとともに,適切に活用して学生を支援すること,さらに必要に応じて専門部署と連携するという取り組みの意義と課題を検討することを目的とした。

【方法】2020年~2023年の4月に新入生を対象としてストレスについての授業を実施した後に,精神的健康および発達障害の傾向に関連する尺度(K10および困り感質問紙)の他,日常生活や希死念慮に関する項目,相談希望の有無,教員に伝えたいことへの回答を求めた。

【結果】調査期間を通して,K10高群の割合は増加した一方で,困り感質問紙高群の割合に大きな変化は認められなかった。支援を要する可能性のある学生について学科内で共有し,日常の様子を担当教員が注視し,必要に応じて声をかけることで,学生の状況をより把握できるようになった。また,調査結果に基づき,相談部署への適切な連携を図ることが可能となった。さらに,精神的健康と発達障害に関連する困り感は独立しているものではなく,関連することが明らかとなり,特に「自閉的困り感」の得点が精神的健康に与える影響が顕著であった。

【考察】学科内での情報共有は,学生支援の3階層モデルにおける第1層(日常的な支援)と第2層(担当教員が学生と面談するなど制度化された支援)の強化および第3層(専門的学生支援を担う相談部署)との連携に寄与したと言えるものの,学科と相談部署との間に双方向の関係があったとは言い難い。両者で調査結果を共有するなど,支援を要する学生に対して適切な支援を早期に提供できる体制づくりが望まれる。また,「自閉的困り感」得点の精神的健康に対する影響が強かったことから,今後は困り感質問紙の下位尺度に着目する必要性が示唆され,その結果に応じた適切な支援内容の検討が求められる。

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© 2025 日本学校メンタルヘルス学会
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