2025 年 28 巻 2 号 p. 210-221
【問題と目的】近年,不登校児童・生徒の学びの機会を保障する場として,学びの多様化学校への注目が高まっている。本研究では,学びの多様化学校である中学校を対象に,学校不適応感を抱える生徒に対する教職員による支援の実態と構造を明らかにし,効果的な支援の構造を検討することを目的とした。
【方法】学びの多様化学校として設置されている私立中学校Xで勤務する教職員6名を対象に,学校不適応感を抱えていた生徒の適応が促進されたケースでなされた支援に関して,半構造化面接を行った。面接で得られたデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析した。
【結果】X校における学校不適応感を抱える生徒への支援は,《生徒本人を中心としたサポート》,《家庭を巻き込んだ支援》,《みんなで支える組織風土》の3つのカテゴリから捉えられ,19の概念が見出された。
【考察】学びの多様化学校において学校不適応感を抱える生徒を支援する際には,《生徒本人を中心としたサポート》が重視されており,これを円滑に行うためには《家庭を巻き込んだ支援》が不可欠であること,さらに《みんなで支える組織風土》は支援全体の基盤となっていることが示唆された。本研究で得られた支援モデルは「チーム援助」に通ずるものと考えられ,学びの多様化学校および一般校における支援のあり方について考察された。