2025 年 28 巻 2 号 p. 222-231
【問題と目的】学校において,多様な専門家や専門機関と連携することにより「チーム学校」を推進させるため,「連携協力の要」となる「コーディネーター」の役割を果たす教員の重要性が指摘されている。小学校では,学級担任制であるため連携する必要性を感じにくく,連携に困り感を抱く教員が抑うつ状態に陥るリスクが高いことを踏まえると,協働的な職場風土を基盤とした校内支援体制の構築が重要であるといえる。そこで本研究では,小学校におけるチーム学校推進の中核的担い手である教育相談コーディネーターの配置の有無による,校内支援体制の差異を検討することを目的とする。
【方法】公立小学校に所属する教員(164名)を対象に,チーム学校尺度,心理職活用尺度を用いて検討した。
【結果】コーディネーション委員会の機能尺度,教師の意識の変化尺度,「心理職活用体制の充実」,「教育相談体制の充実」において,配置群の得点が有意に高かった。援助に関する当事者としての態度尺度,教師の心理教育的援助サービス尺度,「心理職の評価」において,差は見られなかった。
【考察】教育相談コーディネーターの配置の意義として,情報の一元化による支援の明確化,教師の意識の変容,心理職活用体制と教育相談体制の充実の3点が示唆された。また,教育相談コーディネーターが配置されていない背景として,役割の不明瞭さと養成・研修の機会の不足が考えられる。教育相談コーディネーターの効果的な配置に向けては,協働的な職場風土を基盤としたうえで,チーム援助の有効性を示し,役割の明確化と周知が必要である。