2025 年 28 巻 2 号 p. 286-296
【問題と目的】本研究では,授業中には発話があるものの休み時間ではクラスメイトへの自発的な発話が見られず,継続的な発話・応答に不安をもつ場面緘黙の状態にある小学5年生男児に対し,クラスメイトに自分から意見を伝えられるようになることを目的とした支援を行った。
【方法】支援には,人・場所・活動の組み合わせを少しずつ変えたスモールステップでの発話練習を行う「マイチャレンジ」というツールを利用した。クラスメイトへの校庭での挨拶や,教室での質問などの練習を,毎日の目標設定と自己評価により,難易度を調整しながら行った。
【結果】対象児は宿泊学習で友人に話しかけたり,休み時間にクラスメイトからの質問に受け答えしたりするなどの自発的な発話ができるようになった。発話練習に関して学級担任の関わる時間は長くとも10分程度と少なかったものの,対象児はマイチャレンジにより発話に自信をつけることができたと実感していた。
【考察】マイチャレンジを利用した,継続的な発話・応答に不安をもつ場面緘黙児への発話練習は学級担任が持続して実施可能な取り組みであることが示唆された。