抄録
安価な深夜電力を利用した稼動形態に移行するなど,低コスト化を進めつつも電炉鋼企業は低迷している.ここでは会計報告データベースを用いて,鉄リサイクル産業の市場環境と最近10年間についての経営分析を行う.電炉鋼企業は製鋼原料が低位安定化のため,生産性を上げれば少なからず利益が得られるものと見られる.しかし,業界全体がシェア拡大のため過当競争に陥り,主力製品である小形棒鋼の販売価格の低下を招来している.電炉鋼企業は製造だけでなく鉄リサイクルという社会的役割も持つ.増大する鉄鋼備蓄量に対応するために,経営事業の改善が必要である.