抄録
本報告では、実際の技術ライセンス導入契約の事例をもとに、現実のケースにより適合した知的財産の価値評価手法について考える。同時に、許容されるロイヤリティ・レートの範囲が、価値の評価手法によって変化し得ることを説明する。
まず、(1)基本的なDCF(割引現在価値)法による知的財産の評価を説明する。次に、(2)将来事象の確率過程に関してシナリオ・アナリシスを導入した場合のDCF評価と、(3)モンテカルロ分析によるその精緻化について考察する。最後に、(4)ライセンス契約に追加された諸条件・諸権利に対する価値を評価するリアルオプション価値の分析を試みる。また、ロイヤリティ・レートが(1)から(4)の各段階で算出された価値に対応して変化することを示す。