抄録
近年、組織のチームワークに対する認識が高まっている。多くの企業が、チームワークや協働に関する従業員の意識や努力を高めることにより、企業全体のパフォーマンスを増加させようとし、そのための組織内マネージメントを模索している。中でも、インセンティブシステムの設計は、最重要の課題となっている。 本研究では、数理的分析と計算機実験によって、インセンティブシステムの設計について考察する。具体的には、インセンティブシステムを取り扱うエージェンシー・モデルを拡張し、企業を含めた広い範囲の組織システムにおける、チームワークを考慮した報酬契約を分析する。それにより、チームワークの一つの特徴である正のシナジー効果を仮定した時、生産性や環境の不確実性、シナジーの生じやすさの変化に応じて、最適なインセンティブシステムの設計方法が変化する、という新たな知見を示す。