抄録
社会現象をダイナミックシステムであると捉えてシミュレーションを行う手法である「システムダイナミックス」は、「因果図」や「パイプライン図」と呼ばれる独特な図を描くことを通して定性的・定量的シミュレーションモデルを構築する。しかし、これらの図の描き方・読み方が他で用いられる図と共通する部分が少ないため、利用の困難が指摘されている。また、その独特な記法によるゆえに、モデルの概念的な拡張が困難であった。そこで、この研究ではシステムダイナミックスモデルを、ソフトウェア開発で利用されているUMLに含まれているクラス図で書くことを提案する。これにより、特にモデルの概念的な拡張が容易になる。例えば、システムダイナミックスの図を用いて因果関係を利用したマクロな定義の中にマルチエージェントシミュレーション的なミクロな定義を記述することが可能になるであろう。