知識共有はナレッジマネジメントの一形態といえる。設計開発領域におけるその取組は、成果物を電子化することで行われるが、成果物は結論しか含まず、それに至る経緯や設計意図の共有が難しい。一方で、メールなど業務上交わされるコミュニケーション情報は、その文脈(コンテキスト)を持ち、結論までの経緯や設計意図といった背景情報を含む。そのため知識共有に対して重要な役割を果たす。本稿では、知識共有を実現するための手段として、業務上交わされるコミュニケーション情報を活用した仕組みを提案し、試作システムについて説明する。さらに、当社設計開発部において試作システムを実験的に運用した結果について述べる。