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Saatyによって提案されたAHP(Analytic Hierarchy Process)は,意思決定過程の階層化,評価基準・代替案の一対比較による重要度の推定,および各評価基準における代替案の重要度の加法和による統合からなる意思決定手法である.AHP は,定量化できない評価対象も扱うことができ,また実施が容易であることから,幅広く用いられている.ここでは,AHPの手法の概要を説明するとともに,一対比較から重要度を推定する際に用いられる「誤差最小化モデル」と「均衡モデル」について焦点を当て解説する.