抄録
2005年4月から「個人情報保護法」が全面施行されることで、民間企業に対しても同法の適用が開始され、同法に違反した企業には法的罰則が課されることになる.内部情報漏えいは、これまでも企業にとって大きな損失でありリスクマネジメントの対象であったが、今後は、より厳格な内部情報セキュリティ対策を講じる必要が生じてくる. 内部情報セキュリティ対策の強化は、一般的に、モチベーションや生産性の低下など、「負」のイメージで捉えられることが多いが、情報マネジメントという観点からの、戦略的な導入によっては、業務刷新、ナレッジマネジメント、組織再設計を通した企業パフォーマンスの向上をもたらす経営改革の手段となる可能性がある.