抄録
訪問系の介護サービス産業は日常提供するサービスの移動距離の制約により、事業所拠点周辺に営業範囲が限定されやすい。都市部の市場への参入主体は、全国資本広域展開型企業と、出資が地域的に条件づけられる企業とに大別される。地域の出資と展開規模は相対的に小さいが、一般に企業と事業両次元の、管理と生産各要因における規模の利益の効果の点で、この市場の競合関係が存続するとみられる。かつ地域の起業の背景には、当該都市の産業と経済の構造がある。本研究は都市部のケース地区の参入企業群について、資本の集積と動向の点から論理の検討を試みる。