組織システムにおける学習障害

JR事故における日勤教育

抄録

　本稿では、アージリスの「二重学習」のモデルの問題点、「負の組織学習」の可能性について探る。その事例として「JR 事故4.25」をとりあげ、組織レベルの負の学習プロセスを考察する。とりわけ「日勤教育」を用いた労務管理は、運転士や車掌に多大な心理的制約を課し、時に現実の業務に支障をきたす場合もある。日勤教育が素地になって運行者の心理を圧迫する、誤操作を引き起こす負の学習プロセスを検証しながら、「学習障害」について検討してみたい。