抄録
本研究では,著者が数社のWeb調査モニターの経験を通じて感じた問題意識(なりすまし回答が容易な事,非常に長い調査票が散見される事等)に基づき,調査結果から不正回答や虚偽回答等のいわゆる不良回答を選別する手法を模索した.具体的には,SD法の質問群で得た回答を元に,回答者別に形容詞対間の相関係数列を算出し,他サンプルとの類似性に基づく評価を行い,不良回答が疑われる群を抽出した.本手法により選別された不良回答を疑う群の特徴は,質問の前半と後半での形容詞対間相関の傾向が違う,中心集中傾向が高く,両端移動傾向が低い,男性回答者に不良回答の割合が多い,正常な回答者群に比べ,全体的に回答時間が短い,質問が進むにつれて回答時間が極端に短くなる等であり,本手法が適切に不良回答候補を選別し得ていることを示している.