政府及び公共機関の情報システム構築計画を線形系問題として定式化し、動的計画法により年度毎の業務システムへの最適なひと・もの・かねの情報化投資を計画できる事業モデルを構築した。このモデルを電子申請システムの構築事例でシミュレーションした結果、PDCAフィードバック型の最適解が得られ、モデルの適用可能性と妥当性について検証した。次に、この線形系モデルを電子行政業務システム事業へ展開することを試みたが、システム方程式の構造、評価関数の決定、それぞれが簡単な問題ではなく、線形系モデルの限界が明確となった。そこで、今後の政府情報システム事業のオープンな標準化によって、各ステークホルダが創発する仕組みである複雑系モデルの構成を研究した。