企業連合や組織内の派閥など、提携の影響力を比較することはどのような提携が形成されるかを予測することの指針となるため重要なテーマのひとつである。初めに、提携形成状況を協力ゲーム理論のモデルである特性関数形ゲームを用いて数理的に表現する。本研究では、提携の影響力を測る道具としてゲーム上の関係を用いる。関係とは提携を対で比較するものである。本発表では三つの関係を提案する。初めに、ある提携が集団から抜けることによってどれだけ集団の利益を減らすことができるかという基準で比較する関係を提案する。次に、ある提携が内部の集団が抜けてもどれだけ提携の利益を守ることができるかという基準で比較する関係を提案する。最後に、ある提携がどれだけ提携を組むことによって利益を増やすことができるかという基準で比較する関係を提案する。新たに提案した関係が満たすいくつかの性質を紹介する。