CGM サイトは購買行動や日常の問題解決において活用されつつあるが、多くのインターネットユーザは情報発信において実名の秘匿、すなわち匿名であることを志向している。本稿は、匿名性の構造的な分類(本人到達性・リンク可能性)を元にネットユーザの情報収集行動における匿名性の志向性をアンケート調査に よって探索的に明らかにするものである。その結果、CGM サイトを通じた情報収集から次のことが明らかになった。第一に、投稿者が実名を示していることは重視されないが、プロフィールおよび投稿履歴はやや重視されている。第二に、自分が投稿する際には本人到達性のある情報は秘匿する傾向にあった。第三に、本人到達性の有無を重視するが、リンク可能性・不能性は重視しないクラスターが多数を占めることがわかった。