本研究は、知恵やひらめきを増幅するイノベーション発生の原理探求と活用システムの探索を目的としている。我々は知的生産活動のモデル化や定量評価を可能とする技術的アプローチとしてトランザクション・トラッキング・システム(TTS)を構築し、このTTSを用いて知的活動を促進するオープンコミュニティ基盤として実現するための知的行動のログデータ収集とプロセス分析を実施、同時にその所要コストの定量化定量化を試みた。トライアルデータの解析の結果、組織体と個人レベル間でのトランザクション様式の特徴・相違、研究グループ間の共通性、調達資源と創出成果との間の量的相関性を検出した。加えて、本結果とその後の考証を通じて、研究資源フロー、組織体及び個人のトランザクションに関する仮説的な理論モデルを得た。本発表ではこれら研究及び考証の結果を報告するとともに、あるべきR&Dのナレッジマネジメントの方策について理解を深めたい。