抄録
地域に現存する歴史資料は、地域固有の貴重な資源である。しかしながら、歴史資料は専門家以外が解読することが困難なため、その多くは観光資源として十分に活用されていない。本論文では、幕末に金沢の町人が記した「梅田日記」の観光資源化への取り組みを紹介する。これまでに、「梅田日記」を題材としたゆかりの地巡りと観光パッケージツアーを企画・実施した。パッケージツアーにおいて、参加者が事前に「梅田日記」に関する知識を獲得できるようツアー専用Webサイトを構築した。そのサイトの効果と課題を明らかにし、歴史文化観光における情報システムの役割を考察する。