抄録
企業がPCや携帯で消費者に詳細な食品情報を提供する動きがあるが、2008年の筆者らの携帯アレルゲンチェックサイト調査では、効果的な情報提供方法の検証と非アレルギー患者の評価に課題が残った(小川・田中、2008)。そこで、ある生協の組合員2521人を対象に2009年に調査を行った結果、PC回答者で、アレルギー患者家族より非患者家族の方が原材料表示を気にしており(有意水準1%)、原材料情報の活用に可能性があることが明らかになった。また、アレルゲンチェックサイトver2009.5のユーザー評価では、患者家族と非患者家族から概ねポジティブな評価を得た。操作性や仕様変更対応などを懸念するコメントから、デバイスの工夫や企業の商品データベースの整備を前提とした情報提供が課題となる。