抄録
太陽電池産業は急速に市場を拡大している。この太陽電池産業を、半導体産業、液晶産業と比較し、アーキテクチャの視点から分析する。生産のプロセス日数は、半導体が1~2ヵ月、液晶が4~5日に対し、太陽電池は1日以下である。このため太陽電池はガラス投入から太陽電池パネルまでが一貫生産するターン・キー装置が実現されている。このため太陽電池産業は、半導体や液晶と同様の技術を使用しているが、産業構造、競争戦略は全く異なり、「単モジュール型産業」という新しい概念で定義出来る。この概念に基づくと、日本の太陽電池産業の競争力を強化する方向として、外部・内部との相互依存を強化する「インテグラル化」が適していると考えられる。