抄録
企業情報システム開発における主要な課題を2つ挙げる。1つは、新システムによる業務処理が運用できず、動かないコンピュータとなることである。これは、従業員の業務処理能力が、情報システムが前提とする業務処理能力を充足していないからである。
もう1つは、企業情報システムの運用主体である経営層や従業員の行動や思考パターンである。情報システムは、システムが自動的に業務処理を行うのではなく、あくまでも人間活動を支援するものである。従って、人間が協力しないシステムは動かない。
本論では、この2つの課題の考察と対応を述べる。