本研究では、2000年度から2011年度の間に上場企業が発行した環境報告書に対してテキストマイニングを実施することで、環境会計から計算される各期の環境保全コストの大きさが、環境報告書から抽出されるキーワードとどのような関係を持つのか分析を行う。その結果として、①時間の経過にともなって経営者メッセージの論点が環境問題そのものからCSR経営に移行していること、②売上高に対する環境コストの支出割合が大きい企業群では具体的な製品を示唆するキーワードが、③支出割合が小さい企業群では抽象的な経営理念にまつわるキーワードがそれぞれ抽出される傾向にあることがわかった。