抄録
本研究では、製品開発に系譜学を取り入れたプロダクト・ジェネアロジーと呼ぶ手法を使ってその開発の歴史を振り返り、重要なターニングポイントを明らかにし、分析することによって将来のマーケティング戦略に結び付けることを検討する。事例として日本のあるメーカによって開発された光検出器にスポットを当てた。プロダクト・ジェネアロジーによる考察の結果以下のことがわかった。当初は物理学実験用として開発されたものの有用性が認められず売り上げが伴わなかったが、関心が物理学から生物学の研究者へと移り変わることによって有用性が見いだされ最終的に製品として採用され売り上げを伸ばすことができた。今回はその分析結果を報告する。